今期の例のアニメ ③(年末のご挨拶 2023)

来週の金曜は、すでに仕事納めているので、更新は本日が最後になります。

2023年も大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

2024年も、ゆずソフトを何卒よろしくお願い致します。

で、最後に更新。

エロゲで10億円の借金返済することについてです。


以前の繰り返しになりますが、

自分が知る限りの知識で書くので、業界の常識と違うかもしれません。

また、別に揚げ足取りがしたいわけでもないです。

あくまで自分の視点、個人的な経験から、ちょっと考えてみたってだけですので、悪しからず。

で、本題ですが。エロゲで10億はなかなか難しそうですね、やっぱり。

具体的な数字を扱うと、ちょっと弊社の内部事情とか流出することになるので、ざっくりいきます。

まずエロゲの希望小売価格が8,800円。ただ、コレがまるっとメーカーの懐に入るわけじゃありません。

youtubeのスパチャでも、手数料として30%くらい取られるって話があるじゃないですか?

売っていただく店舗さんとか、宣伝告知や販売に関する折衝をお願いする流通会社さんとか色んな方が関わってくれてますから、売値が100%儲けというのは当然ありません。

なので、まあ……ザックリなんてyoutubeの30%を用いるとしましょう。


メーカーに入ってくるのを仮に70%とします。

8800 × 0.7 = 6160

これで10億稼ぐためには、大体16万本強の売り上げが必要になりますが、これだけではすみません。

製作ゲームディスク、パッケージ、特典などなど、制作費が必要になります。

製作期間のランニングコストもありますし。負債の10億円にも利子とかかかるとすると……マジでシャレになりませんね。

ちなみに、2004年に一番売れた某エロゲの年間売り上げが14万6千本と言われています。今さら言及するまでもなく大ヒットです。

ですが、それでも足りていません。

ザックリ計算でもそれだけ必要で、現実的にはさらに“万”単位での売上本数が必要になります。

10億の厳しさがわかってもらえるかと。

まあ、色々メディアミックス仕掛けて、それらが成功して、何年かかけて累計でってことでなら可能かもしれませんが。今は発売年だけの考え方で。


あと、抱き枕カバーとかも作ってましたが、多分当時はまだそこまで売れるもんでもないと思うんですよね。

当時はまだ全然流行ってなかったでしょうから。

新しく作っていくとなると、色んな所に相談して、試行錯誤してもらったりと制作費もかさみます。

だから、グッズの売り上げはそこまでいかないんじゃないかな? と思います。

つまり、やっぱりゲーム本体の売り上げだけで10億円必要ですが……そもそも現実だとエロゲ10万本超えるだけでもまず難しい。無理です。

10万本超えたソフトなんて本当に数えるくらいしかないんじゃないんじゃないかな?

そういう、現実は厳しいというお話でした。


あ、ついでに。

ウチの千恋が40万本みたいな話もありますが、大半はsteamです。

販売価格も安くなっていますし、セールでの売り上げも多いですし、翻訳の費用とか新たな費用がかかってます。

なので千恋を累計で計算しても10億には届きません。マジで無理。


まあ、だからこそアニメの中で歴史の分岐点になるようなことだった、と考えることもできるんですけどね。


そんなこんなでーー

それでは皆様、よいお年をお過ごし下さい。

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